2012年3月15日木曜日

インドネシア9都市をまわっての総括

(きほん自分むけのまとめ)

2011年1月から3月までインドネシアの9都市に旅行しました。ネシア中を廻って感じたことを横ぐし的に総括してみます。

目的:
5年後でもこれを読んで、この旅で感じたことをある程度整理して思い起こせるようにすること

注:
この旅自体が、「感じる」ことをテーマにしてたので、データなどをもとにしてないちょー主観です。むしろデータに違和感を感じれるようにするための旅といってもいいと思ったので主観ちゃんです。

■総括
予想外に、こんなに広くてもインドネシアは1つだった。宗教、文化、都市の発展度合いによる食、服装、インフラの違いはあったものの、「人」に核心的な違いは感じられなかった。どの都市でも雑多な環境の中で、じゃれ合いながら、人懐っこく生きている人たちだった。「モノ」においても、宗教上による制約を除けば、基本的な生活環境はインドネシアでは均一化されていた。

■相違点
宗教のファクターがやはり一番の大きな違いを産んでいるように思えた。飲酒の可否など宗教の教義上の相違は最もわかりやすいが、宗教の違いによる相違が生活面でも影響しているのではないかと感じることが多かった。都市の発展度合いによる違いは街並に影響を与えていることは間違いないものの、当然の相違であり驚くべきものはなかった。

(やはり旅行してるだけで深く入っていってないからかなぁ、、でも、ベトナム、タイ、インドネシアでは相違するところは感じたんだけどなぁ。)

・食事
宗教による違いはあった。イスラム教の都市は、豚肉やお酒を購入することが難しかった。特にイスラム色が強いバンジャルマシンでは、お酒の販売自体も禁止されているようだ。同様にアチェでも、お酒はスーパーでは販売されていなかった。キリスト教の都市マナドでは豚肉を食べることもできたが、飛行場など他の都市の人も来る場所では豚肉の提供は禁止されていた。都市の文化として犬食文化がある都市もあった。

・衣服
こちらも宗教の違いによる差異が大きい。最もわかりやすいのは、ジルバブ(イスラム教の女性が頭に着用するスカーフのようなもの)の着用の有無だ。同じイスラム都市でも、イスラム色の違いによって、ジルバブの着用率が異なっていたのもおもしろいところだ。イスラム伝来元の都市といわれるイスラム色の強いアチェではほとんどの女性がジルバブを着用していた。その他、主観として感じたのは、イスラム色が強い女性は、露出度合いが高い服装をしない傾向がある。
また、タトゥーもイスラム都市ではしている人が少ない(逆に、マナド、バリでは多くみかける)。

・生活面
観光しているだけでは大きな違いはわからなかった。設備の面で都市の発展度合いによる相違はあるだろうが、所得の違いによる相違なだけに感じた。各所得階層がモノを購入する場所(低所得者層は露店、高所得者層はモールなど)や生活環境は同じように思えた。ただ、1つだけジャカルタの人だけが深夜に屋台でご飯を食べる姿を見かけないのはなぜだろうか気になる。

・街並み
ビルの多さ、インフラの整い度合いなど経済の発展度合いによる相違が最も大きい。次に、宗教の違いによる相違か。モスク、教会、ヒンドゥー寺院などの宗教建築物は各場所でみかけるため、都市の雰囲気の違いとに影響を与えていた。都市の中心部の街並は、歴史的背景による相違が多少あるように感じた。バンドゥン、マナド、マカッサルはオランダ統治の影響が残る街並みだった。

・交通手段
これだけがどの都市でも大きく異なり統一感がないものだった。地域の特色により乗り物が違うのはわかるが、それにしてもあまりにも違う。マナドではあいのり型のベモが主流、アチェではベモだけれども、オジェックとベモの間のようなバイクに乗り物がついたものだった。ジョグジャでは馬車、オジェック、ベモは人力車、バンジャルマシンではオジェック。バリではタクシー、オジェックやベモは見かけない。

・物価
都市によって若干の違いがあるように感じた。交通手段の値段、ホテルの値段と質、食事の値段、チップを渡した時の喜び方からの感覚だ。ジョグジャとアチェは、特に物価が安いように思った。個人の商店では、飲料の値段ですらバラバラだったのは日本人の感覚からするとおもしろい。

・人の性格
民族も違い、各都市の距離も離れているからもっと性格が違うかと思ったが、外国人が旅行する限りでは大きな違いは感じなかった。(マレーシア行くと違いを感じるのか!?)スマトラ島の人は冷たいと現地の友達が言っていたが、そう感じることはなかった。ただ、マナドの人は他の都市の人と比べて、恥ずかしがりで、そっけない態度をする傾向にある印象はもった。

■共通点
全般として、情報も設備も商品もほぼ一律に同じものがインドネシア中で提供されていることに驚いた。人の性格も、大きな傾向の違いを感じることはなく、インドネシアの「多様性の中の統一」という言葉を不思議と思いだす。ネシア旅行の途中でタイ、シンガポール、ベトナムを周った時はやはり違いを感じたので、「同じ」であることが正直に感じたところなのだろう。

・言語
どこでもインドネシア語が通じるというレベルではなく、生活で完全に使用されている。インドネシアにある言語数の多さから、地方によってはインドネシア語が通じない人が出てくると思っていたが、本当にインドネシア語が1つの言語としてネイティブに使われていた。ちなみに、シンガポールに行った時も、マレー系の人には拙いネシア語だが意思疎通ができた。

・食
どこでも、ナシゴレン、ミーゴレン、ミーアヤムがあった。もちろん、都市によって味は違うが、全く別の味とは感じない。たしかにナシゴレンだ。全般的には、やはりインドネシアの料理は甘辛い料理が多かったように思う。イメージ茶色っぽい料理だ。ジョグジャのグルドゥック、マカッサルの水牛スープ、マナドのブブールマナド、スマトラのミークプティン、バリの豚の丸焼きでさえも茶色い色の料理が多かった。タイやベトナムのような鮮やかな色合いの料理は少ない。

・衣服
普通の道にいるお兄ちゃんやおっちゃん、おばさんはジャカルタでみるファッションとほぼ同じ印象。お兄ちゃん、おっさんは黒とグレーっぽい服装が多く、鮮やかな色使いの服はみかけない。お兄ちゃんは、多くの都市で黒のスキニージーンズを履いてる人が多い印象がある。おばさん、お姉さんも同じようにジーンズベース。バティックは柄は違うものの、どの都市にでもあるところはおもしろい。ディスコにいるような最先端の若者は、タイと同じくコリアンファッションだった。ただ、やはりかっこ良さでいうとジャカルタのお洒落さんが最もカッコイイ。ディスコでさえも、アチェの男は基本ダサかった。

・商品・製品
特に商用のものの均一性は、意識してみるとすごいことだった。この多くの島が集まるインドネシアで均一のものを売り出しているのはすごいことだ。スーパーの商品の内容、飲料水の種類までほぼ同じだった。広告までほぼ同じ。モールでは、どこでもBlackBerryが売られ、同じような形式で区切られている携帯ショップが並ぶ。車、バイクもどこもスズキ、トヨタ、ホンダ、ダイハツなど日本車がほとんどを占めている。流通のインフラが日本に比べ整っていないと聞いていたが、この均一性を提供できるのはすばらしい。たしかにスーパーが均一的になるのはわかるが、小売の小さな露店の形式もほぼ同じような形式だったのには驚いた。

・商用施設
MandiriやBCAなど大手の銀行はどこにでもあり、モールもどこでもある。モールの質はやはりジャカルタが突出していたが、一番大きなモールに毎回都市を廻るごとにいったが、アチェを除くモールはどこも洗練されていて、外国人がいっても十分満足できるレベルだった。ただし、地方によって出店している店の偏りはあった。スターバックスは大きな都市でしかみかけなかった。アチェだけは、独立運動をしてたためか、他の都市でみかけるようなレストランをみかけることが少なかった。街にピザハットは見かけたが、モールにダンキンドーナツやJCO、EXELSOはなかった。ただ、アチェでさえもディスコがありお酒を現地人が飲んでいた(相当な少数派なのだろうけど)のは驚く。

・街並み
都市の中心部はその都市独特の色があるが、少し離れたところに行くと、どこも雑多な家々が並んでいて、その光景は都市によって大きくは異ならないように感じた。住居の写真をみて、タイとインドネシアなら見分けが付く気がするが、インドネシア内の都市だとわけるのが難しそうだ。

・人の性格
これが一番驚いたが、都市や島によって人に大きな性格の傾向の違いを感じることがなかった。基本的に、どこの都市の人も、親切で、人懐っこい、バスに乗ると親しく話しかけてくる。より具体的にいうと、目を合わせた時にだいたいニコッとしてくれる。ジャカルタで感じたインドネシア人のイメージが変わることがなかった。バンドゥンでも、ジョグジャでも、アチェでも、宗教に関係なく、インドネシア人はインドネシア人だった。ジャカルタでよくみかける、男どもがまったりとたむろして話す風景は、どこでも頻繁にみかけた。

■今後に活かす
読み返すと、あまりおもしろくない結論で得るものがあまりないように思える。ただ、少なくとも個人の視点では、「ジャカルタを制するものは、インドネシアを制す」という気持ちを強めることができたのは大きな収穫だったと思う。

まわる前は、ジャカルタだけで、本当にインドネシアのことがわかるのだろうかとの気持ちがあった。インドネシア語が本当に全島で通じるかさえも疑っていた。でも、まわってみるとインドネシア人はインドネシア人だった。つい10年前には独立闘争をしていたアチェに行った時ででさえも、ジャカルタで感じた感覚が大きく変わることはなかった。

当然だが、ジャカルタがまわった都市の中で最も最先端だった。人や生活という視点でみれば、ジャカルタで通じることがインドネシアで往々にして通じるだろうと感じた。当然、根本的な宗教の違いは踏まえなければいけないがイスラム教以外は人口が少ないからイスラム教徒をメインにするのは間違いない。

今後もたまに旅をしながら、感覚のアップデートをしてみたい。

1 件のコメント:

  1. 北ジャカルタでは深夜まで路上で飯食ってますよ。

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