とうことで、アチェにいるうちに『イスラムの本』を読み終えました。
全体の感想
イスラムの世界の基礎知識が少なかったためか、スゴい読みづらかった。
知識がプツッ、プツッと断続的に紹介されて、他の知識と繋げて(ストーリーにして)理解することができなかった。
だけれども、ぼんやりとイスラム教の基本には触れることはできたと思う。
唯一神とムハンマド
唯一神が想像していたよりも絶対的な存在であることがわかった。
そもそも「キリスト教」、「仏教」のように創始者が宗教名になっていない「イスラム教」。
では、イスラムとは何か?イスラムとは”帰依する”という意味のようだ。
まさしく文字通り唯一神のおっしゃるとおりに帰依することがイスラム教のようだ。
(「ようだ」が多くて申し訳ないです)
ムハンマドの位置づけについてもよく知らなかった。ムハンマドは、唯一神が言葉を託すために選んだ人という位置づけだったのか。
(なお、モーセやらキリストも言葉を託すために選んだ人だったんだけど、正しく伝えることができなかったとされている)
お祈りの時に唱える言葉がこれらの事実をたん的に表している
「アッラーの他に神はなし。ムハンマドはアッラーの使徒なり」
当然、ムハンマドは尊敬される存在であるのだが、
唯一神のもとでは一般民衆と同じく平等な”人間”であるという点が興味深かった。
それだけ、唯一神は絶対的な存在であり、だからこそ偶像が作られイメージが勝手に作ることが禁じられるわけだ。
父でもなければ、母でもない、それらを超えた絶対的な存在であり、人間から自然まで全てを創造する唯一神だ。
この点、キリストはマリアの息子であるとしている時点で神ではないないとイスラム教ではいっているようだ。
信じる対象
宗教は”信”から入る。では、イスラム教は何を信じるのか。
”6信5行”とよばれるイスラムの根幹を表す言葉のうちの6信を記載する。
この6つを絶対的に信じるということが信仰の前提となる。
・アッラー:万物を創造する唯一絶対神
・天使:アッラーと人間の中間的存在
・啓典:神が預言者を介して人類に下した天啓書
・預言者:ムハンマドを始め25人がコーランには書かれている
・来世:最後の審判が下り、天国または地獄に行くことが決まる
・天命:全ての人間の行動は事前に神によって定められている
「津波は神によって起されたものだから、受け入れる」というアチェ人の言葉は、”天命”という信からきてるものだろう。
おれらの感覚からしたら、全てわからない、正しいかもしれないし、間違ってるかもしれない。だけど、”信じる”ことから始まるんだからそれをどうのこうのいうことはできない。
具体的な行い
”6信5行”のうちの5行を記載。より実践的に、信仰上これら5つを行う必要がある。
・信仰告白:「アッラーの他に神はなし。ムハンマドはアッラーの使徒なり」ということ
・礼拝:1日5回の神への礼拝
・断食:ラマダーン月の30日間、日の出から日没まで一切の飲食を断つ
・喜捨:貧者や困窮者に財を分ける
・巡礼:メッカのカーバ神殿にお参りする
豚肉はなぜ食べてはいけないか?
ずっと気になっていたことだった。答えがわかった。
それは唯一神が(ムハンマドを通じて)言ったから(つまり、コーランに書いているということ)で、それ以外に理由はない。
上記のような絶対性を考えると納得がいく。
”帰依”することが全てなのだから、それ以上でもそれ以下でもない。
※ただ、コーランには、知らなかった場合や遭難などで食べるものが他にない場合は許されているようだ。
豚骨ラーメンがジャカルタでにわかに流行ってるのも抜け道があるんだね。。”えっ、これ豚骨だったの〜シラナカッタヨ!?”って。。。
エコノミックアニマルとしての日本人
1995年に発行されたためか、最近はあまり効かなくなった言葉だが、
"エコノミックアニマル”と呼んだのは、ムスリムだと言われている、とこの本では書かれていた。”労働”に対するムスリムの考え方の紹介はおもしろかった。
この本によるとムスリムでは、時間を3つに別けているようだ。
1つ目は、仕事をする時間。精力的に働くことは推奨されているものの、必要悪であるとの感覚があるようだ。
2つ目は、遊びをする時間。子供がすることだという意識が強いみたいだ。
3つ目は、ゆったりとしたくつろぎの時間。この3つ目の時間が最も大事と認識されているようだ。
だから、色んな人達がなんとなーく、あつまってまったーりとする光景をみるんだ。
(そして、今そんなまったーりした空間のど真ん中にいるんだけどねww)
働く上では、どうしても"エコノミックアニマル"としての価値観を日本人は持っているけど、
この価値観を知った上で、バランスをとっていかなければなと思う。
☆ ☆ ☆
と、イスラム教についての感想でした。
宗教は価値観の根底なので、ネシアで暮らすには知らなければいけない知識だと思ったんです。
これからも宗教には興味を持ち続けていきたいと思います。
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